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「引きあげる前に、祐治は阿武隈川河口へ向かって歩いた。ある地点で電信柱が新しくなった。そこが境界だった。海が人の暮らしを舐めた形跡、生と死、この世とあの世の境目だった。」p.28

佐藤厚志『荒地の家族』

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