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風が吹くとき 

核爆弾による破局を描いた有名なアニメ映画。
主人公夫婦の夫は…言ってしまえばまあ全然だめな人で、政府を信頼し切り、大破局なんて最終的には起きないんだと楽観してる。でもその政府がいうからにはと彼なりに事態を重く見て、一生懸命シェルターを作る。

自分以上に楽観的な妻をなんとかシェルターに引っ張り込んで爆発の瞬間を迎え、ぼろぼろになった家の中で2人は数日をなんとか生き延びる。
妻が不安を口にするたびに「そんなの必然だ(Logical)」とか言って薄っぺらな科学的知識や政治的所見を並べ、まるきりあてにならないんだけど、要は妻を安心させようとして精いっぱい捻り出してるのがそんな言葉なんだよね。

人間なんて大半はたかの知れたもんだし僕もそうだ。
ことに3.11以前の僕なんかまさにこの夫のようだったと思うよ。何も知らず、政府だってそこまで何も考えてないってことはないでしょ…みたいな感じで。
仮に今の僕がそれに毛の生えたくらいの見識を持ってたとしたって、原爆に対してできることに誤差くらいしかないし。

そういう大したことない人々が一生懸命日々を生きてる。なのに、どうして幸せに一生をまっとうできないんだ。あまりにも酷いじゃないか。
その怒りと悲しみこそがこの映画のテーマだし政治の本来の目標なんだと思った。

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