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「匣の中の失楽」読了 

竹本健治「匣の中の失楽」を読み終えた。これが日本三大奇書かー…。序盤は情景描写の巧みさにどきどきしたけどその後は正直そこまで惹かれるものがなくて、時間もやたらかかっちゃった。種にも無理があるし、人間を描くことにこだわりがあるらしいわりにはその点もそこまでではない。

だいたい序盤で一人一人を印象づける過程の色付けが乏しくて、僕には登場人物の個性を記憶することがほぼできなかった。名字とか通ってる大学くらいしか手がかりがないんだもん。
頼みの人物リストも記されてるのは所属大学(アルファベット表記)と専攻学科だけ。これで個体識別しろと?

やっぱりキャリア序盤の作品だからってのもあるのかな。しかし世評はめちゃくちゃ高いわけでしょ、そうなるとどこか僕の共感性の乏しさがもらたした幻滅なのかもしれないな、と思ったりもするわけだけど。
個人的には京極夏彦「姑獲鳥の夏」〜「絡新婦の理」あたりとは比すべくもないという感想だった。ちょっと残念。

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