よい映画だった。17歳ながら志願兵になった青年が1945年の対ソ最前線トーチカに配属されるところから話は始まる。
そのトーチカは一般的な日本軍の水準からすればまだしも話のわかる上長のもと、わりとましな環境ではあるように見える。上下関係はありつつもみんなそれなりに意見は言うし、頭ごなしには否定されない。それでもインテリ上がりの先輩兵がやや孤立して殴られていたりはするんだけど。
しかし地獄のような戦場の文字通りの最前線、しかも大日本帝国滅亡の年とあって破滅は目前に迫っていた…というストーリー。
そこに取り残された人々が何を思いどう絶望しどんなふうな最期を迎えるかを克明に描く。
救いはない。後世の目から見ても対ソ戦線じゃよしんばうまく降伏しおおせたところで20年のシベリア抑留か…と思うと、ますますね。
戦争なんてするものじゃない、という結論しか浮かばない、はずなんだけど。おかしいね。