フォロー

伊藤野枝集の最後に残ってたあとがきを読み終えた。けっこう面白かったんだけどずいぶん長くかかっちゃったな…。

本編のラストは大杉栄との書簡集だったけど、最後の手紙は1920年付で死去の3年前で終わってる。てっきり生前最後の消息にまで迫るような気がしてたから少し拍子抜けだった。
でもひりひりした2人の距離感の変動が感じられて面白いやりとりも多かった。

この人の最期が憲兵隊の殺人鬼甘粕正彦らに理路も何もなく虐殺されての死というのがなんとも理不尽で、あらためてげっそりしてしまう。
そして現代の標準的日本人が権力、警察、公安警察、検察、などなどにナイーブな信頼と好意を持ち続け、一方で彼らに加害された人々に疑惑の目を向けがちな姿を連想して、実例から学ばないことの罪深さを思う。

疑惑の目が常にあれば、そのこと自体が権力を多少まともにする圧力になる。手放しの信任は、けっきょく権力をいびつに肥大させてしまうだけなのに。
選挙でなんとなくの与党支持がほとんど常に多数派を占める世相にしてもそう。
ほんと、学ばないことは罪だなと。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。