映画『怪物』については先月観てからずっと考え続けている。
終わりの方、少年二人が光の中笑いながら駆けていくのを見ながら考えていたのは
「お願いだから、どうか幸せでいてくれ」
ということだけだった。
頭の中にそれだけがリフレインされていた。あの美しい坂本龍一の音楽に乗せて。
生きているのか、土砂崩れに巻き込まれたのか、映画は断定しないまま終わる。
監督と脚本家の意図は、インタビューなどを読むと前者らしいのだが……
それを押しつけないのもまた彼らの意図なのだろう。だけど。
https://www.cinra.net/article/202306-kaibutsureview_iktay
こちらのレビューを読んで、当事者は、そこに明らかな希望が欲しかったのではないかという考えに頷いた。
でなければこの映画自体が直接的ではないにせよ、圧力……抑圧?になる可能性すらあるからだ。
観てよかった映画なのは間違いない。特に俳優陣はみんな素晴らしかった。子役ふたりは特に。瑛太と田中裕子は圧巻。
当事者ではないシスヘテロの自分が何を言えるのか、何か言うことで当事者を傷つけないか…怖くなって感想が言いにくいと観てから1ヶ月近くたつのにまだ思う。
そのかわりに頭の中ではずっと考え続けている。