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三國万里子の新刊『またたびニット』を購入。
編み物パターン本で「感動」することってあるんだ。著者にエッセイの執筆を依頼した人の気持ちがわかる、と思ったが、この本に関しては実日子ちゃんが強いということなのでちょっと違う。
でもいい話だな……。

あとこだわりがありそうなカバーの紙が保存性低い……折れ……

三國万里子のエッセイ以外の本で一番読み応えがあるのはダントツで『アラン、ロンドン、フェアアイル 編みもの修学旅行』で旅行コラムを中心として組まれているので当然なんだけど、一番心を打ったのは『ミクニッツ』の小物か大物か忘れたけど金科玉条みたいな前書き。すごい気持ちの良い文章だなと思った。「運動してから編む」「解くのは夜」「編み直すのは朝」みたいな。うろ覚えなので間違ってるかも……。

『またたびニット』に惹起された「感動」は 

編み物の記憶を発端として書かれた後書きの文章は、本の著者によって書かれていると思い込んで読んでいたら、市川実日子によって書かれていたという叙述トリック的な要素があってより強化され、それが著者による前書きにリフレインし、そしてタイトルの『またたび』に戻ってくるという環状構造にある。
かつて三國万里子が編んだ手袋がふたたび手元に(自分のものではないが)戻ってくる。そしてふたたび編んだ物がだれかに手渡される、という構造の美しさがある。

また実日子ちゃんの文章がいいんだよな〜〜〜〜となってしまう元オリーブ読者。
#編み物

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