紙魚のうた ネタバレ 自陣もしも妄想
御手洗先生は常に90点を出せる人だから、叩き台のうもりで提示した原稿も、後任の編集は満足して持ち帰っていく。
表現に悩み、それを吐露したとしても「何も悪いところはない」と通ってしまう。
自身の作品に妥協を許さない性格だから、フラストレーション溜まるんじゃないかと
(ここまで全て妄想)
倫太郎は倫太郎で、作家の担当編集ではなく、中間管理職的な…(編集デスクとかかな)
担当編集者から上がってくる新刊企画を振るいにかけるような仕事をしていて
本を作る仕事には変わりないけど、作家と一緒に作品を作り上げるような、生々しい仕事でなくなったことに、ままならない感情があるんだろうなと
紙魚のうた ネタバレ 自陣もしも妄想
〜引き継ぎの妄想〜
後任「朝霞さん、御手洗先生には相当な時間食われてたって小耳に挟んだんですが……気難しい先生ですか?」
朝霞『いや。多少…人見知り気質はあるが、彼ほど楽な作家先生はいないよ。締切は守るし原稿の質も高い。究極、俺達は御手洗文弥の原稿を運ぶだけで採算が取れるくらいだ』
「だったら何故?」
『彼の原稿は常に高品質だ。いついかなる時も90点の仕事ができる。……君もこの仕事をしていれば分かるだろうが、驚異的だろう?』
『だが彼はそれに満足しない。完璧をもう一段上へ引き上げることを望んでいる。……それを叶えるために多大な労力を使うことになる。俺の場合は時間だな』
「朝霞さんが高品質と称するものがパッと出るなら良いじゃないですか。趣味じゃないんだし、担当者がそこまでする必要を感じませんね」
『その意見には心の底から賛同するよ。俺のやり方は全く他人に勧められない』
『ただ……御手洗文弥の92点を見てみたかったんだ』
紙魚のうた ネタバレ 自陣も
後任が上げてきた御手洗先生の新刊企画も、商品としての基準は満たしているし、ちゃんと面白い。だからデスクとして企画は通す。
けれど、自分が担当だったなら……と考えずにはいられない。
一般的に見たらその原稿は素晴らしいが、御手洗のポテンシャルを知る自分からすると90点だったから。彼ならきっと、92点…95点と、詰めていけるはずなのに。
60点の原稿に対してテコ入れをするのは自分の仕事だが、この質の作品に対して口を出すのは難癖だろうと口をつぐむ日々