"総裁も、日本の国運を左右する危難を、どこまでも冷静に突き詰める。
「アメリカ本国がこの工作に乗ったのは、なにかと独断専行が過ぎる総司令部に掣肘を加えるためか。狙いの大枠としては、総司令部に与え過ぎた権限を縮小する口実作り、日本を反共の防波堤に設え直すための駄目押し、というところだろうな」
全ての手札が出揃った、その実感に老政治家は皺深い笑みを浮かべ、
「なるほど、いい絵だ」
笑みをそのままに、激怒した。
「だが、許せん」
「はい」
國常路も短く鋭く、同意する。"
自分の機嫌取りに読み直し。
このくだりが堪らなく痺れるのです。
#K_SIDEGOLD
#高橋弥七郎