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アリーチェ・ロルヴァケル『墓泥棒と失われた女神』 at ル・シネマ渋谷宮下

なかなか面白かったぞ。異能者が放浪する一種の貴種流離譚みたいな。画角がいきなり3つ出てきた時は面食らった。
邦題がクソクソダサい(原題「キメラ」)のはなんとかしてほしい。
コテコテイタリアンな雰囲気(PVで誤解しそう)とはちょっと違う。
主人公のJ. オコナー、IMDbで調べたらアイルランド・スコットランド・イングランド・東欧ユダヤ人・南欧ユダヤ人の家系だそうで、文字通りの異邦人。背が高く顎鬚を生やし大人しく少しのイタリア語を話す彼の演技はなかなかのもの。
もう一人の主役のイタリア役の女性はブラジル人。あの「浮いた」感じを非イタリア人のまま出すのは繊細な演出が必要だったと思う。
一方で、脇役の墓泥棒や労働者の大半は監督の知り合いの地元イタリア人だから、どローカルと異邦人の組み合わせになってて、さらにエトルリアという「非・古典な古層」によって底を抜く世界になっている。
このあたりの深い文脈は、日本ではわからないかもしれない。

冒頭の女性の素晴らしいアップは16ミリだろうか。最近16ミリの良作多いなあ。

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