津田道子「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる」
ゲキレツに面白かった。小津を引用するなら、ホー・ツーニェンは津田道子の爪の垢を略
行き止まりで元のルートを戻るコースもナイスデザイン。演技する体のイヤラシサと、それに汚染されている俺らを反芻できる。
なんでこれが無料展示なの。
上にも書いたがこっちのほうが百倍面白かった。津田道子は、神村恵と「乳歯」というユニットを組んで、小津映画の俳優の動きをトレース・スコア化するというクソ楽しいパフォーマンスを観たことがあって、今回は、我々はだれでも「遅れてしまう」生き物だと言われているような展示だった。入ってすぐ目に入るソファーに横たわる人間の映像から、最後の「エンドレスローテーション家族」まで、上手な導線で楽しい。帰りは同じルートを戻らなければいけなくて、もう一度反芻することで「遅れ」が生まれるというよく考えられた展示だった。
松田弘子や永山由里恵が映像で出ていたのはうれしい驚き。
「乳歯」のパフォーマンスは演劇だけじゃなく映画関係者も(こそ)観たほうがいい。またやってくんないかなあ。