『豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表』 at 東京都現代美術館
‘Yasuko Toyoshima: Origination Method’ at Museum of Contemporary Art Tokyo
2回目。この人の展示ほど、"横から観たくなる" ものはない。「覗き見」なのよ。
作家の中学の時の通知表を観ながら。
虫歯の数まで書いてあるのかとか、懸垂がずば抜けて凄かったんだなとか、担任の中に神経質なのがおったなあとか。
手紙の宛名の切り抜きの展示で。
豊嶋さんの「シマ」の字は山編に鳥だけど、山編に島とか山編無しの島とか書いてくるのが2割くらいいる。驚くのは、賞状の宛名で「島」になってるのがいくつかあること。公的機関がそれでいいのかとか、誰も拘らなかったからなのかとか。
俺はいったい何をしてるんだろう、とか。
木で作った作品も勿論面白いんだが、後半のシリーズも豊嶋康子なんだなあと。
「覗き」をいくつものやり方で、かつそれとは直ぐに分からない仕方で、観客の行動と内面に呼び起こす。都現美の観せ方はなかなか面白かった。社会的批判だけの作家じゃないと思う。