シスル、帰ってくる場所を守りたかったんだよな。デルガルに帰ってきてほしかった、王であるデルガルの帰る場所である王国を守らなくちゃいけない。黄金郷が健在であれば、いつかデルガルが帰ってこられる。黄金郷が無くなったらデルガルが帰ってこれない、もう会えない。だから「国を守りたい」し「悪魔には渡しちゃいけない」し。もしかしたら自分がなくなっても代わりの誰かに、デルガルに「おかえり」と言ってあげてほしかったのかもしれん。

迷宮内に作った自分の家に、デルガルたち一家を模した人形たち(あるいは魂の抜け出た体)がテーブルについていたのも、あの光景あの場所こそがシスルの居場所でシスルの帰りたい家だから。
シスルの居場所はデルガルの側だから、デルガルがいないまま王国が終わっちゃったらいけない。帰る場所がなくなっちゃう。
シスルの願いも突き詰めるとマルシルのように「大好きな人たちと一緒にいたい」になるんだろかなと思わんでもない。翼獅子がマルシルを陥落させる手際がよかったのも、人々の欲望を食らってきた経験値もあるけど、シスルと近いから扱いやすかったのかもな～。