(そういえばこちらでも少しごねていたな、と思い出したので、以下、Xからのクロスポストです)
『文藝 2024 夏号』の表紙の件、本日編集部より丁寧なお返事をいただきました。私の挙げた違和感ひとつひとつに対して言葉を尽くして意図を説明してくださり、すべてを理解できたわけではないものの、この企画が真摯かつ切実な思いをもって作られたことがわかり、わだかまりが解けました。
思いは同じはずの人同士がやり方の違いが原因で断絶する事例を、毎日のように目にしています。今回の件が私にとってそうならなかったのは、ご多忙のなか応答してくださった編集部の方のおかげです。丁寧で誠実なお返事を本当にありがとございました。企画はまもなく発売する電子版で拝読致します。
追記:内容が安心できるものであっただけに、これが現状個人宛のメールにとどまっており、同様の違和感をおぼえた方と内容を共有できない点が残念です。(というようなことを、お返事を書く際にお伝えするつもりです)
文藝 2024年夏季号「緊急企画 ガザへの言葉」の件、「表紙についての意見を送ったらメールで意図を説明くださいました。めでたしめでたし」で終わらせるのは違うと思ったので、特集を読んだ後に編集部に送ったメールの抜粋を貼っておきます。否定的な内容です。
・一部の表現や内容をX向けに変えています。
・返信は編集部としてではなく、編集者さん個人のお名前でいただきました。クローズドな場でのやりとりだったのでここでは伏せています。
私が立場を明確にしてほしいと繰り返すのは、河出書房新社がガッサーン・カナファーニー『ハイファに戻って/太陽の男たち』の版元であることや、9月にリファアト・アル=アルイールさんの編集されたガザの若い書き手たちによる作品集『ガザ・ライツ・バック』の刊行を控えていることも大きく関係しています。
編集部の方に感謝すると同時に、自分の感じたことを勇気を出して直接送れたのもよかったのかな、などと思っています。
私は過去の失敗から、叩くことではなく対話することが目的ならば、相手が応答しにくい場所に自分の主張だけを放り投げるのはよい方法じゃないな、と考えるようになりました。
でもじゃあどうすればいいんだろう?の部分をみつけられずにいたのですが、こうして直接働きかけてみるというのは、ひとつの答えになるのかもしれません。
…などと思えるのも、相手が応じてくださったからこそ。本当にありがたいことです。文藝編集部、開かれた場なのだな、と感じました。
(「過去の失敗」というのは、とある作品の倫理的な問題点をSNSで一方的に批判した際のことです。批判の内容は妥当でも方法が暴力的で、あれは二度とやりたくない、そうならないためにはどうすればよいのだろうと、考え続けています)