子どものころ、戦争の被災体験を読めば読むほど野蛮で凄惨なことにしか思えなくて、どうして当時の大人は戦争することを選んだのか不思議だった。
いま私は大人になっているし、戦争が大嫌いだ。そしてというか、なのにというか、やはり私には戦争を止めることができない。戦争はある日突然起こるように見えて、長い長い準備がされている。その準備を、どのくらい遡れば戦争を止められるのだろう。
同じ問いを、私は東電福島第一原発の事故からずっと自問自答している。過去のどの時点に誤りがあったのか、どの時点まで遡れば違う現在を選べたのか? と。