「名探偵のいけにえ」（白井智之 新潮社）読了。
事件の舞台が新興宗教の施設であり一般の常識とはまた違う常識がある地域。そこでは推理も変わってくる。新興宗教の常識を踏まえた推理と一般の常識を踏まえた推理が必要になる。そんな多重推理が必要な条件での後半の畳み掛けるような展開は凄まじいものがあった。
そこで終わらずさらにその奥にある展開は本を閉じる寸前まで油断がならない。
年間ランキングの上位に入るのはよくわかる。読み終わってから本のカバーをじっと見てしまった。
付け足すなら探偵の在り方の問題については「名探偵コナン」の「ピアノソナタ『月光』殺人事件」「外交官殺人事件」をふと思い出した。どこかしら共通するところがあるのかもしれない。