レヴァンくんの記憶力すごい・序章
発掘隊1
「おや?
これは……壺かな」
レヴァン
「すごい!」
レヴァン
「これはヴィクターホロウにあるといわれた
遺跡の壁画と同様の文様に違いない!
色合い、素材、全てあの日誌と合致する」
発掘隊1
「ヴィクターホロウに壁画?
そんな話、初めて聞いたが」
レヴァン
「ならばこのハード氏の日誌をぜひ読んで
具体例と共に歴史が詳しく解説されている
時間の都合上一度しか読んでいないけれど」
発掘隊1
「ぜ、全部覚えてるのか?
一回読んだだけで?」
発掘隊2
「さっきの地下室の話も
その本に書いてあったものか?」
レヴァン
「ウッドランドでは多くの研究が進んでいる
伝承に残されたガシエ文明の存在を
証明するべく動いている学者もいれば
伝説の狩人イッシュの実在を熱く語り
日々現地調査に赴き論文を作る者もいる
ウッドランドは遺物と遺跡にあふれている!」
発掘隊3
「……今の何?」
レヴァンくんの記憶力すごい・3章
・――ヴィクターホロウにて
町人
「それにしても、出土品から
歴史がわかるなんて驚いちゃった」
倉庫番
「ああ、ウッドランドに
遺跡が多くあるからこそだよな」
レヴァン
「古の狩人の遺跡、滅びた人々の文明……
多くの過去がひしめき合っているからこそ
今まで見過ごされていた歴史も見出せる
ウッドランドには巨大な王国はなく故に
各地から流入した文化や文明も数多いためい
それらが混ざり合い独自の特徴が生まれ
壁画が最たる例だが現存するのは小規模だ
もしやウッドランドの奥地ダスクバロウには
未発見の壁画が眠る隠れた遺跡があるかもし」
倉庫番・町人
「もう十分だ」「もう十分よ」
レヴァン
「……今から良いところ、なのに」
倉庫番
「ま、でも
早口になるのも分かるがな」
レヴァンくんの記憶力すごい・序章
レヴァン
「ヴィクターホロウの壁画の特徴は大きく2点
1点は目を引く色鮮やかな作風、もう1点は
ホルンブルグの古代文字が使用されている点
しかしホルンブルグはハイランド地方の王国
なぜ対角線上のウッドランドに文明が伝来し
遺跡という形で残っているのかは未だ不明」
発掘隊2
「生き物の……鳴き声か?」
レヴァン
「つまりホルンブルグの古代語を使う何者かが
ハイランドからこの地に逃げ延び一部の人に
のみ伝わる言語で何かを残そうとしたのか
しかし出土品も壁画も風化が激しく土に還り
保護が必要な状態が続く、この壺も同様だ
掘る道具を借りて辺りを調査してみないと」
発掘隊1
「学者くんっ、後ろ!」
発掘隊1
「くっ……
旅人さん、あとは頼んだ!」
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