Milk inside a bag of milk inside a bag of milk その1 

牛乳を買いに行きたいと思い始めて早数ヶ月、ようやっと買いに行く
耳鳴りみたいにズーンと響くBGMが不穏

ログで最初に戻ると曲も初めからになるし、選択肢を選び直せるのも新鮮。この子が言うとおり、本当にゲームの世界で生きてるみたい(事実、彼女はゲーム上のキャラなわけだが)

脳内の天使と悪魔が、自分の言動に対してあれこれ言ってくる感覚は少しわかるけど、ここまで強迫されるとは…なんとか軌道修正できてよかった


お店に到着
人ならざるものの形とか、繰り返される「O」とか、本当は普通に人が喋ってるんだろうな…この子にとっての普通はこれなんだけど
その4つの点は目? 口? 私には見えないものを彼女は見ておる…

夜に遊んでたから「O」のイメージ映像でちょいビビった。デカい瞳に見つめられてブラックホールみたいに吸い込まれそうになるやつだ

相手と同じ言葉を話した途端逃げられてしまうって何なんだ
実は最初からずっとよろしくない言葉を言われてた…? まさか言い返してはこないだろうって
いや、この子がOに怯えて聞こえないふりしてたから怒ってどっか行っちゃっただけかも…うむ

Milk inside a bag of milk inside a bag of milk その2 


陳列棚に到着
ビニール袋に牛乳入ってんだ。紙パックじゃないんだ
画像検索して調べた。これは確かに言い迷うかも、しれない…口が開く方の反対側が底についてなかったら横たわってると思うよ

タイトル回収。言葉を一つ一つ確認していかないと、この子が「袋に入った牛乳」と言っているのか私はわからなくなる。でもあの表現がスッと出てくるのすごい
お店までの道のりでもそうだったけど、彼女は何気なく物事の細かなところを見て物凄い速さで思考してるんや…思考の渦…


レジに到着
これは人。さっきより確かに人。Oじゃないし。なんならさっきのは人じゃなかったのかもしれん。犬とか…でも店内にペットはさすがにないか

お会計のシーン、すごく印象に残る。何とも言えない認識のズレがある
彼女が「牛乳をください」って言うことを意識しすぎて、レジの人がいう「ください」の、省略された目的語を勝手に補っちゃってるような感じ
この子はいたって真剣に牛乳を買いに来ているだけに、周りから見ると少し変わった言動になってしまうことがつらい

たかが牛乳、されど牛乳…買い物だけでも大冒険だ

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Milk inside a bag of milk inside a bag of milk その3 


お家に帰るまでが買い物
このアイスクリーム理論でいうと、+αで野菜とその他材料を持ってたら…クリームシチューにもなれるってコト…!?

画面の向こうにいるプレイヤーに語りかけているように思えるが、あくまでも彼女自身による自己との対話…なんだよな
ここ、何を言えば進むのかわからなくて数分悩んじゃった。わかったとかわからないとか入力しちゃってた。シンプルな答えだったわね

いい話の流れだったのに打ち切られた
このプレイヤーは、「ゲーム開始直後に入力した名を冠した」プレイヤーではあるけど、私が操作できるプレイヤーではないんだなって…否定も肯定も全部彼女の心の声
私が選択肢で彼女を導いているように見えるけど、実際は何もできてない。生きづらさをただ見守ることしかできない

Milk inside a bag of milk inside a bag of milk その4(終) 


帰宅
ママと話してるときの感覚、「O」を見たときのアレだ。迫り来る黒がママの目
ママがこんなにリアルな人の顔をしているのは、薬が切れたせいなのか? 直視せざるを得ないほどの大きな存在だからなのか?

怖い存在ではなかったお店の人が異形だったのに、母親は異形ではない
この子の反応からして、ママは恐怖の対象なんだろう…外にも家にも、心の休まる場所がないんじゃないか


最初から再プレイ。この子はこれまでに何人の悪いプレイヤーを消してきたことやら
今更右クリックした。セーブスロット無限にあって助かる

選択肢による差分を見つつ、牛乳を買って我が家にまた帰る
彼女の架空のプレイヤーとして、買い物について行くだけの物語なのに話が気になる。この子が見る世界をもっと知りたくなった
なんと続編があるらしい! すぐやりたい

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