自分は高校生の時に地元の図書館に収蔵されていた漫画版を読んだのだけど、衝撃を受けたのを覚えている。
このままここにいては夢が叶わないことを感じ始めた年頃だった。
都市部に出ないと進学も就職もままならないことは祖母や母、歳上の従姉妹たちの姿で学んでいた。
そして、それは仕方ないことだと思っていた。
地方に生まれたら死に物狂いで都市部に出なければならないと当たり前のように思っていた。
何故なら地方だから。
若者にありがちな都市部への憧れと内面化された地方蔑視、地方を出られない/出ない人を見下しつつ出られなかったらと怯え、出られそうな自分への選民思想……それが如何に下らないか、中央政府を糾弾する登場人物たちに突きつけられた。
時は流れ、私は結局地方に帰らない道を選んだ。
両親も親類も誰一人「帰って来い(🟰定住しろ)」とは言わない。
「帰って来るな(🟰ここでは暮らせない)」と言われ続けている。