毒親に対する過去の超克を謝罪という形で成し得ようとするのは古今東西よくみかけるけれど、成し得るわけが無いと諦めを感じている自分もいて。この「三姉妹」という作品はそういう諦念すらも全部織り込み済みな気がした。この三姉妹の「父」も想像通り謝罪の一つも言えないどころが逃げようとするし、それを自分の孫に叱咤された挙句とった行動が、自傷て…とほとほと呆れてしまった。
ほんとに他人をどこまでも思いやれず女子供を下に見ている。決して他人のための謝罪はできない。けれど、自分の恥のためになら死ぬことができる。家「父」長制に囚われた「父」の情けなさそのものだった。
ラスト、三姉妹がその情けなさを話すシーンがあるけれど、なんでもないようで、なによりも家族を感じたシーンでもあった。