Ken Schneyer "Laws of Impermanence" 読んだ。
テキストが時間経過とともにその内容を自然と変化させていく世界。25年前に亡くなった父親の遺言書を巡る財産相続争いと並行して、自然と変化していくテキストを巡る各世代の学者たちの考察と、家族の祖父フィリップの妻が友人たちに宛てた手紙が変容していくさまを描くテクニカルな短編。これは面白い。
アリストテレスから始まり、ガリレオ、ニュートン、ハイゼンベルグ、果てはデリダにまで言及していけしゃあしゃあと違う法則の支配する世界でのテキスト論を語るパートも楽しいし、段々と変容していく手紙がもたらす結果もスリリング。
向こうの書評サイトで「テッド・チャン作品が好きな人は好きだろう」と書かれていたけど、確かにそうかも。かなり当たり。
https://www.uncannymagazine.com/article/laws-of-impermanence/