私は高校生で、月曜の朝家を出たが、時間割に体育があるのに体操着を忘れてしまった（この夢しょっちゅう見る）。億劫でさぼりたい気持ちのまま地下鉄の駅に入ると、高校行きで人混みの多いホームと、体育の授業で使う大きな公園に直接向かう閑散としたホームがあって、なんとなく閑散とした方を選択した。1両編成の電車が来て、快速でないことに不安をおぼえつつ乗る。人はまばらだ。向かい合って座る老人2人は昔のVシネか何かのファンらしく、「観たい映画があるのにマイナーな配信サイトが独占配信したせいで今は観られない、悔しい」と盛り上がっている。それとは別に座っていた親子の、小さな姉弟と仲良くなる。地下鉄はいつの間にか地上に出て秋の山の間を走っている。壁際の車内広告が水槽になっていて、例のボタンを押して水流で輪投げができる小さなおもちゃみたいなゲームができる。6歳くらいの弟の方が熱心に遊んだが、詳細は忘れたけど変な物を入れてしまうか何かしてまずいことになった。気づくと公園手前の駅まで来ている。降り際、弟が私のヤママユトートバッグをじっと見つめるので、「ヤママユ知ってる？カイコって蛾がいるけれど、あれは人間が家畜化したもので、飛べなくなっていて、その原種はヤママユと言って…」と説明すると、男の子は「カイコ、家で飼ってる」と言った。