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日記 

仕事への行き道小川を通りかかると、そばに小ぶりのウインナーみたいなガマが生えていた。長い人生一度はガマの穂を揉みたいもんだよなと眺めていると、おあつらえ向きに一本折れて地面に伏せている穂があった。しめしめ帰りに揉もうと思った。以前動画で茶色いガマの穂を指で摘むとゆっくりはじけるみたいにすごい量の綿が吹き出すのを見たことがあって、それ以来「ガマの穂を揉む」が死ぬまでにやりたい100のことリストに入っているのだ。でも、ちょっとインターネットすぎて恥ずかしいような気もする。その他には「マーモットをブラシで洗う」「ティラノサウルスの被り物で疾走する」「オオサンショウウオを連れてはんざき祭りを見に行く」などがあるがそれはそれとして、仕事を終えて帰り道ふたたび小川に差しかかり、あの折れていたガマの穂を探した。ようやく見つけたそれは無惨にもぽっきり折られて地面に転がっていた。やられた。同じくガマの穂を狙っていた輩に先を越されたのだ。おれのガマの穂が。白っぽい断面を晒し、ますますウインナーっぽくなったそれを悔しい気持ちでつまみ上げた。指に力をこめたが穂は固く、綿がほどけることはなかった。おそらく未熟すぎたのだろう。これを折った人も残念な気持ちになったに違いない。せめてそれを一緒に見られればよかったのにと思った。

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