楡家のひとびと 感想書き散らかしその1
基一郎のカリスマ性は死んでからなお楡家のひとびとを呪縛するようです。
さすが、基一郎が自分で作った「楡」の姓。
ただ、徹吉に基一郎を求めてもそれは無理だという事。
同じように基一郎の子どもたちも孫たちも同じ子どもは一人としていないんですけどね。
個性を無視しては不幸の元です。
と、ここでも今の日本を思いやり若干うんざりしてしまいます。
愛情という点で親に近い下田の婆やの死と揺れ動く楡家のひとびとの心。
そのゆらゆらとした感情に重なるように戦争が近づいてきます。
まだ、時代が変わったと認識できていないのか、酔った佐久間熊五郎の「……楡、楡熊五郎だぞ、おれは」が印象的でした。
前に読んだ時は第二部の駿一の飛行機マニアっぷりが妙に引っ掛かったのですが、今回は米国の「病気自慢」と桃子の「不幸自慢」が気になりました。
二人とも中二病をこじらせてない??
parapara