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最初から最後まで居心地の悪い感触のままだった。
全員が愛情問題(愛と言えるだろう)を抱え、そして秘密主義ではっきりとした態度をとらない。登場人物の家族はみんな似ている。執着ではないのにきっぱりと決めることもしない、それでいて妙に頑なだ。読者をジレンマに陥れるのは作者の意図しているものなのかもしれない。

ある意味、まさに井上荒野といった作品だった。

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