初冬の天文台。岬に吹きすさぶ風。薄い雲の向こう側で日が傾き始めている。日本海は季節を問わず雄弁だけど、そのメッセージを素直に受け取ることができない程度に波は激しい。車のラジオは札幌のFMを拾っていて、雑音混じりの洋楽が最果て感を盛り上げてくれている。見晴らしの良い丘にいて、ここからどこへ向かおうとも寂から逃れることはできないだろう。
流れる雲を見ながら、四半世紀ほど前の、北海道初山別村の光景を思い出している。こんな日はアイリッシュコーヒーを飲みたくなる。
#散文
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