なぜか最近、老人の書いたものに惹かれる。俺は老人はあまり好きではなかったはずだけど、案外そんなこともないのかもしれない。昔から歳上が好きだった。そう考えたら老人はいちばん歳上なのだから、好きなはずなのだ。でも、嫌いな老人はいる。好きな赤ちゃんもいる。そんなものですね。
いちばん面白かったのは、小説家の瀬戸内寂聴と画家の横尾忠則の往復書簡『老親友のナイショ文』。
宿命、死後、人生、スケールの大きな話を、すこしも力を入れずに語っているところに癒やされるのでしょうね。
老人にとってはもはや死後のほうが近くにあるから、自然に語れるのかもしれない。
読んでるとだんだん死ぬのが怖くなくなります。そういう力に満ちた本です。
死ぬのが怖くなくなれば、生きるのだって楽になるでしょう。