終わったんですか?
そうこうしているうちにむかえたお昼休憩には見計らったように本体が現れた。
今日は私も用があるが…まだ心の準備が…などともだもだしてる内にそれまであったはずの距離はほとんどないほど詰められていた。
な、何?私は用なんて無いけど!?
…ちびいる?
え?ちび?ちび6ならさっきまでそこらに…
しかしカウンターの上にその姿はない。
微かに音のするカウンターの下を覗くと私のチョコを入れた紙袋によじ登っている。
何してるの!?
と紙袋ごとカウンターの上に出すと
この中?と本体が中を覗きちび6を摘み上げる。
そのちび6はあろうことか本命チョコにしがみついていて、ぶらぶらと揺れながらも必死に掴み離さないでいる。
そそそ、そんなものは離しなさい!
と取り上げる前に横からさっとロックマンに取られた。
ちび6も私もロックマンを睨む。
しばらく続いた睨み合いの後、
はぁ。とわざとらしく深いため息をはいたかと思えば、君はこっちでしょ?とちび6をカウンターに降ろす。
そこには、紙袋の向こうから隠れてこちらを覗いているちび7。
そして意を決して紙袋の影から飛び出し、好き!とちび6にチョコを差し出す。
ちび6はあまりの嬉しさにチョコごとちび7を抱きしめました。
バレンタインって
バレンタイン当日の朝、7ちゃんからのチョコを1番に頂くべくちび6は早朝に凸します。
本来ならいつまでも眺めていたい寝顔をペチペチ…
眠い目をこすりながらも既に正装姿のちび6とその指差すものにあぁ…と指を一振。
テーブルの上の昨夜準備したたくさんのチョコレート。
その中から引き寄せられてきたものはちび6サイズのバレンタインチョコでした。
どうぞ。と渡すとぱぁと綻んだ顔を見せたがそれは一瞬で、手元のチョコを真顔で凝視している。
…あれ、違ったかな?
ポルカも食べるし本体と同じく甘いものはなんでも食べるかと思ったがチョコはダメだっただろうかと考え、本人に聞いてもやはり、ななりーしか言わない。
今日も今日とてこれから仕事なので時間をかけて構っていられず、うやむやのまま一緒に寮をでた。
ところがそれから一緒に出たはずのちび6はいつの間にか居なくなり…
かと思えば自身の受付の空いた時に衣装を替えては現れる。
くまの着ぐるみ、おしゃれ平民服、騎士団の制服…
そしてそのたびにチョコを求められるので、所謂変装なのだろう。
余程チョコが好きなんだなぁ。
今朝のでは足りなかったという事だろう。
そう思っていた。
成人済。