身内から聞いて目から鱗だったんだけど、祖父の世代の男性は食事の支度も裁縫も一通りできたらしい。出征したらすべて自分でこなす必要があったから。てっきり昭和初期生まれの男性は家の事は何もできなかったと思ってたけど、考えてみたら確かにそう。
そうなると「男子厨房に入らず」とかいうあれは一体?となり調べてみると、もとは孟子の教えである「君子、庖厨を遠ざくる也」が日本で曲解されて伝わったものらしい。
原典の大意:
心ある君主ならば、厨房で家畜が生きているのを目にしたら屠殺するのは忍びなくなるでしょう。ましてや屠られているのを目にしたり匂いをかいでしまえば、その料理を食べられなくなる。そんなことでは国を治められなくなるので、君主は厨房に近づくべきではないのです。
これがどこかで日本の男尊女卑の思想と結びついて「炊事なんて身分の低い者の仕事を男がやるのはみっともないから駄目」の意で広まったらしい。
話がやや脱線したけれど、「家事の技術はおろか知識も一切なく(←性別だけで家庭科の授業も免除とか)、実際に生涯を通じて全くやらずに済んだ世代」って流れ星みたいに一瞬で過ぎ去ったけっこうレアな存在だったのかも?と感じた話でした。