COCOA最終アップデート版による収集データが先ほど公開されました。
digital.go.jp/policies/cocoa/

感染者数の増加傾向を実際の届出よりも早く捉えていた可能性があることと、Excelで細かめの集計データも公開されたので、研究等にも使えるようになったので、研究者にも注目してもらいたく連続Tootします。

なお、この連続Tootの内容は、少し丁寧な文章にした上で、個人サイト dyb.jp/2023-03/31/cocoa-stat-s でも公開予定です。

【COCOAの通知発生回数の増減は、人流データよりも人々の行動をくっきりと捉えていた可能性がある】

COCOAの通知発生回数の増減と、新規感染者数の増減は、回答者の属性等による区分が無くてもR2=0.68程度と強めの相関が見られました。

COCOAに対する批判として、プライバシーに配慮して個人の属性を取得していないことがありましたが、プライバシーに配慮して単純に集計するだけでも、日本全体の感染傾向を少し早めに捉えることができているので、匿名の統計がとれていたら、十分に意味があったのではないでしょうか。

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通知発生率を、信号受信率・閾値越え率に分解すると、より市民の行動の変化がみて取れるように思います。
感染者が一度ふえると、信号受信率はなかなか低下しませんが、よりリスクの高い接触をする割合、閾値越え率は早く低下傾向にうつりますので、「感染者が増えた!慎重に行動しよう!」という市民の行動の変化がよりくっきり見えているように思います。
(研究者のご意見を伺いたいところですが)

名古屋工業大学 平田先生のレポート corona.go.jp/prevention/pdf/re (p.38)では「人流と感染者数の関係の質的変化」という表現があったのですが、COCOAはその質的変化を捉えていたといえるのではないでしょうか。

少なくとも、これまでに日本で公開されていた人流データでは、感染者数の増減との綺麗な関係は、今までは見いだされていなかったので、より丁寧に分析していただく価値があるデータなのではないかと思います。

また、2021年末からGitHub上で議論が続いていた、「閾値を超えない接触も分かるようにすべきでは」という議論については、信号受信率の減少が感染者増加率の減少に比べて落ちにくいことから、「注意喚起」の標準機能としては持たせなくて良かったのではないか、とも言えると思います。

【COCOAの通知発生回数の増減率から、新規感染者数の増加傾向を早く気づけたかもしれない】
データの公表に向けて準備していたところ、厚生労働省の行政官から時差相関分析を行っては、というアドバイスがありました。

公式ドキュメント内のコメントにも記載できたのですが、通知回数は感染者数より接触日ベースで9日早く増加していました。
この日付はCOCOAが接触を捉えた日で、COCOAから通知が出た日ではないのですが、接触から通知まで5-6日程度の遅れだったことを加味しても、感染拡大の先行指標に出来た可能性があるように思います。

増減率の時差相関分析を行うと、信号受信率増減率の増加が感染者数増減率の増加に先行する一方、閾値越え率増減率は先行しないので、「感染者数が増えた」という認知が、高リスクな接触を減らしていることをくっきり確認できたのではないかと思います。

注:1個目のTootのデジタル庁のURLが間違っていました。

digital.go.jp/policies/cocoa/

です(Twitterからコピペするときにwww.が落ちました…)

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