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氷室俊介が羨ましかったモブ同級生の話。

かずと先生といつも一緒にいる氷室が羨ましくて、氷室が高校進学で村を出たときは少しだけホッとしてしまって、でもかずと先生がK先生として村人の命を背負うことになったとき、自分だって他の村人同様にその責務を押し付けるしかできなかったくせに無責任にも「なんで今ここにいないんだ」って氷室を責める気持ちが湧いてしまって、かずと先生や氷室への罪悪感から逃げるように進学と同時に村を出て、もう村にいたときのことが過去になった頃に新聞で氷室の帰国を知って、海外で医者になるだけじゃなく日本にその名が届くくらいの功績をあげたその姿に、村の外に出た氷室がずっとかずと先生をひとりになんかしていなかったことを思い知る。その後記者会見に姿を見せず行方不明になったというニュースを見て、すぐに村に、かずと先生に会いに行ったんだと直感する。
こういう男だから、だから自分は氷室のことを羨ましいとは思ってもずるいとは思えなかったんだと当時のことを思い出す。
自分がきっと誰よりも神代一人の隣に相応しいのは氷室俊介だと知っていたんだ、というT村出身モブ同級生の話。

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