フォロー

「アル中女の肖像」鑑賞。

主張・テーマが「今の流行」「ありふれたもの」になったからこそ、脚本や構成など、作品の根の部分の真価を感じながら観れた気がする。
ほぼ同じ社会的メッセージが含まれた映像の連続だけれど、退屈せずずっと見入ってしまった。
衣装がスーパーモデルのような奇抜な服装ではあるけれど、その服装が日常的にも見えてくる、当時のベルリンの街中を彷徨っているだけなのに、寓話の世界にもいるような、日常と非日常の溶け込み具合が絶妙だった。そんな感じだったので、クジラのような船など、とてもファンタジックなモチーフも出てきたけれど、映画のために作られたようには思えなかった。当時、観光船のように実際に使われていた船のように感じた。本当のところは知らないけれど。どうなんだろう…?
主役のマダムが無声映画のように全てジェスチャーで演じるのかな?と思いながらずっと観ていたら急に歌い出すという、自ら課したルールも軽やかにブチ破るようなところもモノ作りにおける自由さを感じてとても良かった。でも確かに酔うと急に歌いたくなる人ってザラにいるので、日常に基づいたすんなり合点がいくシーンでもある。
ラストも何かどんでん返しがあったわけではないのに、すごく締まったラストで良かった。時間が合えばあとの2作品も観たいなあ。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。