【SPN】自分以外の天使といるディーンを見かけ初期キャスがムっとする話【C/D】
地獄にいてあれだけ輝かしい光を放つ魂は、他に知らない。カスティエルは人類が誕生する前から地上の魂を見ている。だから分かる。
あれは、特別だ。ディーン・ウィンチェスターはミカエルの器であるため、魂も美しいのだと思っていたがそうではない。
ディーン・ウィンチェスターが特別なのだ。だから、無意識に自身の痕を付けた。地獄から魂を引き上げた時。カスティエルの恩寵が僅かだが彼の魂の一部を焼いた。身体を再生した時、左の肩にくっきりとついた自身の掌を確認すれば優越感が湧き上がった。
私のものだ。
恐ろしい感覚が駆け巡り、カスティエルは咄嗟にディーンの身体から離れた。この時だ己は存外、執着心と独占欲があることを知る。
自分以外の天使がディーンと親しげに話している光景が目に入り、カスティエルは眉間に皺を寄せた。街角のカフェの前だ。ディーンの傍にいる天使をよく見ればキューピットだった。男性の器を用いており、顔立ちは整っている若い男性であることに、カスティエルはますます苛立つ。おそらくディーンは相手が天使であることも気付いていない。それほどキューピットは自然体で地上に馴染んでいた。