そういう意味では、全編気合の入ったスタントシーンで、役者の動き重視で作る『ジョン・ウィック』シリーズはやや自分には退屈だと感じられる。(スタントは凄いけど、一点突破的な単調さがある)
『ジョン・ウィック:パラベラム』は、まずストーリーの設定が復讐譚ではなく殺し屋版『セブン・チャンス』とでもいえそうな喜劇なので、そこが大きく違う。ナイフ投げまくったり、馬の尻を叩いて蹴り足で追ってを殺すという喜劇的なアイデアも光っている。多分このレベルのアイデアを90分つるべ打ちできていたら傑作になってた。
そういった全編見せ場!みたいな趣向ではない、より散文的で曰く言い難い感情になる『イコライザー』シリーズの方が好みではある。『イコライザー THE FINAL』までいくと初期の雑味やオリジナリティがかなりなくなってしまうのだけど、逆に純粋なジャンル映画としては最も磨かれている。