チー付与コミカライズ版。「犬の作画が途中からどんどん手抜きになっていく」みたいな意味が不明確な細部が、本筋とは無関係に現れて、何らかの芸に昇華されていく。
先に出した要素を後から意味づけする場面が、どれも妙に冴え渡っている。王獣の牙」を脱退した男の名前が「半分」だと明かされるところとか、最初カメラが当たってなかったところに急にフォーカスしてパチパチとピースがはまっていくような面白さがある。
上記の自由に細部を膨張させるところと、計算尽くのようにみえる脚本の関係が不思議な気はする。脚本がかなり計算されているから細部が膨張してもいいのだろうか。反面、膨張し過ぎた細部のせいでテンポが少し悪いと感じる場面も。(仲間の人格的な掘り下げがややたるい)