ボリングブルックは基本自分のことしか見えない人なので、あらゆる意味で視界が狭いし、気にしないのかなと思っている。父や息子にどう思われてるとか全然気にしてない感ある。
ハルくんは、そんな父ボリングブルックはきっとハルくんを都合のいい時にしか構ったりしなかった父なので、簒奪前もあんまり父っていう感覚もなかったけど、簒奪後はますます父とは思わなくて、むしろリチャードを殺した敵なんだと思う。
対立して排除されかけたのはある意味ハルくんがちょっと匙加減を誤ったところに、ボリングブルックが「なりたかった自分やリチャードとかぶる部分」をハルくんを見てしまったところにあって、たぶんハルくんに嫉妬しただけの気がする。
晩年、やっと、ボリングブルックは全体像が見えるようになって、王とはどんなものか、リチャードは何をしたかったのか(いやこれは見えてないな)、実は息子が自分を慕っているわけではなく利用したいだけだったことも見えたりするのかなと思ったり。
ハルくんには父は敵でありながらも、リチャードに狂わされた部分にはたぶん共感も少しあって、っていうところだと思う。父というよりは、ある程度の理解はするが、決して支持できない同じ根の人間なんだろうと思う。
ゴーント叔父はお前は王ではないわきまえろを何度か若い頃に経験したので、虚より実を取った感じで、別に王じゃなくても影響力があってお金があればいいじゃん的な方向に行ったと思うんだけど、息子が変なふうに拗らせてるのは理解しがたかったし頭が痛かったろうなとふと思う。
ゴーント叔父は父からも兄からも民(庶民院や乱の民)からもやりすぎると叩かれた過去があるので、うまくやれてる感じはときどきしないけど、でも一定のラインは保ってうまくやってた気がする。
息子はそういう論理の中にそもそもいないのよな。リチャードの臣下っていう自覚はあるけど、その内容がぜんぜん違ってておかしくなってるのを、ゴーント叔父は本当はもっとちゃんとした路線に乗せなくちゃとかは若干は思ってたんだと思う。
なんとなく自分の中で、ボリングブルックがちゃんと立体的になってきた。
常に3歩先しか見えてない、そのことを本人は全然悪いことと思ってない、むしろ彼から見たリチャードは少々内向的でときどき何を考えてるかわからない、でも美しくて聡明で人々に好かれやすいのはわかるし自分もリチャードに好かれたい、むしろこの内向さが影響してうまくいってないことがあるのを一番わかってるのは自分だ、だから一番助けになれる、それをどうしてリチャードはわかってくれないんだ。
ボリングブルックは、いとこにてリチャードと立場が同等に近い、と彼が勝手に思っているので(息子が臣下としての立場の違いもっとあることがわかってないところ、がゴーント叔父の頭が痛いところ)、人の言いにくいことを遠慮なく言える自負があり、そもそも空気読まないメンタルの人で、かつランカスターにものいえる人がイングランドにいるはずもないので増長しまくってるけど、方向がリチャードの一番の理解者でビジネスパートナーになれるのは俺だ!なので、簒奪以前はなんとかやれてた。
が追放されて完全に拒否られてることをやっとわかって、リチャード自体になりかわるしかないとか拗らせ捻じれ回線負の思考により、簒奪にいたる感じ。
たぶんでもこの騎士さんの設定を創作として起こすことはない気がするので、自己満足だけど。
ワット・タイラーでボリの命を救った(師匠と)騎士さんが、はるか十数年後「あのときあなたの命をお救いした者です、囚われたリチャードの警備は私にお任せください。ずっとこの機会をうかがっておりました。」という嘘をついて、陛下を助け出します。
当たり前ですが、ボリ以外は騎士さんが陛下の護衛をしていたことをうっすら覚えているので、いやそれはないだろと思って止めるのですが、ボリは助けられた以降は全然騎士さんが視界に入っていなかったので、命の恩人に何を言うんだとかゆってこの申し出を了承します。
いつでも自分の見たい内容でしか世界が見えていない度が高いボリなのであった。
映画やドラマやごはんや読書。二次創作をする大人。しっぱーです。好きなものいろいろ。
twitterだったところ:@circularcnst