『私たちが記したもの (単行本)』チョ・ナムジュ
小学生から高齢女性までの7つの短編を収録した短編集。主人公の年代は色々だがどれも私たちの物語である。「初恋2020」はコロナ禍の子供の話だ。コロナ禍の苦しさはどの国でも同じだ。あの頃の空気を思い出して胸がぎゅっとなる。嫁姑のシスターフッドを描いた「オーロラの夜」がいい。「もうあたしはチュンチェルの母親じゃないし、あんたもチュンチェルの妻じゃないから」そうやって解放された2人がカナダにオーロラを見に行くのだ。嫁姑だが、母でも妻でもなく個として繋がる関係性がいい。中々現実では難しいかもだけどね。解説つきなんだがそれがまたよい。物語への理解度が高まるよい解説だった。
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