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読了 村田沙耶香/タダイマトビラ 

家庭崩壊を起こした家で育つ主人公の少女。
しかし家族欲だけは発生する。
そこでカーテンにニナオと名付けカゾクヨナニーをする日々。
このネーミングセンスはすごい的を射ていて面白いなと思った。

誰とも結婚せず、瓶の中に蟻のアリスを飼う女性と知り合う。
彼女は蟻が死んだら違う蟻を探してきてずっと飼っているのだ。
そう、死んだら入れ替えるだけ、その繰り返し。
この女性のやっていることや彼女の存在が不気味だった。

主人公は本当の家族を欲するようになっていき年上の恋人ができた時に、やっとそれが叶いそうになる。
しかしある時彼が自分を使ってカゾクヨナニーをしていると気付き崩壊していく。
ラストの怒涛の崩壊劇は凄まじいものがあるけど、実はそちらが正しかった…?と思わせるような雰囲気もあった。
謎の訪問者、父親と弟の顛末から考えると元恋人がやって来たのかと思ったけど、どうなんだろうか。

様々な形であれ、多くの人にとっては当たり前にある家族。
その在り方や価値観など、根源的なものを一度ぶち壊してくれる作品だったと思う。
家族とは?人間とは?社会生活とは?社会とは?

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