読了 南綾子/死にたいって誰かに話したかった
これは良書だった。
一気読みしてしまった。
生き難さを抱えるひとたちが、不思議な共同生活を送りつつ月に数回生き難さについての話し合いの会を行なう。
物語終盤にはそれぞれに良い変化が起きている。
彼らが語る生き難さというものがガシガシ突き刺さってくるようなリアルなものだった。
社会からの"こうあるべし"という同調圧力に馴染めなかったり、どこか人とずれているが故に生き難さを感じたり。
それでも会を開くまでの彼らはそんな社会に溶け込もうと努力する。
その努力がまた空回りしっぱなしで読んでいてしんどさすら感じるほどだった。
それくらいリアルな空気感を感じ取れるような筆致で描かれている。
続編的な作品もあるようなのでそちらも読んでみようと思う。