読了 五十嵐貴久/リバース
リカシリーズの過去編。
小・中学生時代のリカの家庭、雨宮家のことが家政婦として雇われている女性がしたためる手紙の体を取って綴られている本作。
この女性はとある村で教会に住んでおり、上京して神父の伝手で家政婦協会へ。
そこから派遣されたのが住み込みで働け、前の家政婦が突然辞めてしまい困っている、という雨宮家だった。
雨宮家、全員いろんな方向へ狂ってるんですよね…。
Jホラー的な精神的にジワジワやってくる怖さ、不穏さが相変わらず凄い。
途中、とあるきっかけで完全にリカの正体が分かるようになってるんですよ。
あ、だからリカはあの特徴なのか!だからリカは撃たれても跳ね起きて飛びかかって来られたのか!と納得出来る描写がしっかりあるんです。
それでも他の家族が内に秘めていたり表出している狂気や執着が尚恐ろしい。
リカがリカたる所以、育った家庭環境、何にせよ救いようがない物語でした。
このシリーズはしっかり読み手の精神力、気力を奪っていきますが、それがまた癖になってしまって次の巻を開いてしまうんですよねえ…。