公共のお手洗いがどれくらい清潔であるかによって、嘘みたいだけれどその日の気分すら左右される……!?
と気が付いたのはわりと最近の話でした。
綺麗だととても嬉しいし、あんまり綺麗じゃないと、すごく悲しくなる。

首都圏とは名ばかりの中途半端な田舎(神奈川県内の陸の孤島)から、行きたい科があった東京都の私立高校に進学してみて、かなり感銘を受けたものといえば「お手洗いの新しさと清潔さ」だったのを思い出していた。
初めて足を踏み入れたとき、え、なんかここデパートの3階より上にあるトイレみたいだな……と感動した。
そこはかつて女子高だったのが共学に変わった歴史があり、雑多な制作棟(アトリエとか)もあって校舎自体は古かったけど、お手洗いだけはピッカピカだった。

そもそも大昔に通っていた私立幼稚園も異様に建物が古く、90年代後半にもかかわらず、明らかに汲み取り式設備に頑張って最低限手を加えましたみたいな様相を呈していたのを覚えている。
しかも昼間なのにおかしなほど暗くて(電灯すら無かったかも)、夏だろうとそこだけ寒くて、怖かった。幼心にあの場所には行きたくないといつも思っていた。
それがなんというか「原初の記憶」に刻まれているせいなのか、なおさら外で綺麗なお手洗いに遭遇するのが嬉しい、のかもしれないです。

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綺麗で新しいお手洗いが好きな気持ちと、古い建物に宿泊するのが好きな趣味、当然両立するのが難しい。邸宅見学などで当時のお手洗いを観察するのは楽しいけど、全然、使ってみたいわけじゃない。
でも最近は残せる場所は大切にしつつ、浴室なども含めた水まわりだけ全面的にリニューアルしてくれている宿屋も少なくないので、個人的にありがたい~と思う。

ここ数年だと「古い建物+新しいお手洗い」で印象に残った宿が2つある。

ひとつは伊香保温泉の近代遺産、大正期の木造旅館の趣を強く残す「横手館」(写真1)で、古い客室の内部にはトイレが無いのだけれど館内の共用お手洗いがとても綺麗。
一旦部屋から出ないといけない些細な不便さに納得できれば、この手の建物好きにはかなりおすすめ。山の上なので夏は冷房設備なしですが涼しく、冬はありがたいことに暖房もよく効いて暖かかった。

もうひとつは中山道、岐阜県の馬籠宿にある旅籠「但馬屋」(写真2)。
明治期に再建された宿屋で、建物内の階段はどんなに気を付けて歩いてもギシギシと大きくきしむ、どちらかというと音の面で留意が必要かもしれない古い宿。
でも共用お手洗いは個室の数も多く、清潔で安心できます。旅の疲れで爆睡できるなら夜間の音もすっかり聞こえなくなる(自分の体験談)。

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