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10月を愛する10月生まれのアカウントなので……

もうすぐ終わる月の余韻により長く浸るため手に取った本
短編集「十月の旅人」レイ・ブラッドベリ
そして読み終わったので、次に
同じ著者の「10月はたそがれの国」へ。

「十月の旅人」では、最初に収録されている『十月のゲーム』が私は好きだった。

事あるごとに実感するのは、夜や暗闇の中では視覚情報が制限される代わりに、何かまったく別のもの(もはや触覚や嗅覚ですらない、精神的な意味での「輪郭」)が際立ってくる……という意識。
『十月のゲーム』に描かれているのは、わずかに垣間見られる男の内情を除けばほぼそれだけの要素なのだけれど、別に足りないところなどなく、陽が落ちてくる時間帯にぼんやり読みたい一編。

短編の舞台が万聖節前夜である以外にも、この滲み出る邪悪や寂寥と10月(また、秋そのもの)という季節が結び付けられているのはブラッドベリ自身の思索から生まれた糸で、長編「塵よりよみがえり」「何かが道をやってくる」にも見出せた。

ほか、構成や結末が予想できても笑わずにいられないのが『ドゥーダッド』。星新一の短編集に交ざっていてもたぶん私は気が付かない。
「オフチョベットしたテフをマブガッドしてリットにする」みたいな趣がある。

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