そして今、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの回想(「ファンタジーを書く」徳間書店)を読んでいて、彼女も似たような感覚を抱いたことがあるのだと知って喜んでいた。
ダイアナはある年、古い知人に呼ばれてハロウィーンの時期の集会に参加したそうです。
そこで出された料理、シーフードカクテルの一種が、どうしても「カスタードをかけたミミズ」に見えてしまったとか。
何が入っていたのでしょう。細長くぬるっとしたピンク色のものたち……。
さらに学生時代に遡ると、食堂で出された複数の料理を前にして「枯れた水仙とすりつぶしたいも虫」や「にかわの中の魚の目玉」に思えてしまった体験も語られており、彼女もなんとかそれを口に出してしまわないよう苦労したらしく。
その学校ではしきたりで、校長先生の隣に座った生徒は必ず「お行儀のよい話」をしなければならず、うっかり目の前にある料理の見た目を話題にしないよう気を配らなければならなかったみたいで。
どうしてもあれがアレに見えてしまう……という「ひらめき」は、特に食べ物の場合、マナーとしてその場では口に出さない方が良いのだろうけれど、こうしてエッセイの形で振り返られているものを読むのは安全で好き。
面白いと思う。たとえお行儀のよいものではなくても(場所を選びさえすれば!)