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2001年に第1巻が電撃文庫から、そして2020年には新装版として加筆修正後の物語がメディアワークス文庫に登場した、甲田学人の『Missing』シリーズ。
中学生時代夢中になっていたので、あれから軽く十数年が経過しているのを怖く思いつつ、新装版を電子でダウンロードしてみたのでした。

とりあえず「神隠しの物語」と次の「呪いの物語」まで。

……何らかのきっかけであらわれる怪異は〈異界〉から来る。
その〈異界〉とこちらとの接点は私達のイドの底、知覚できない深層意識と繋がる部分にこそあり、ソレは表層に「異なるもの」を送り込んで常にこちらと一体化しようとしている。……

こういう、所謂ユング的な集合無意識の要素も組み込んだ学園・伝奇モノで、魔術、オカルティズムや民俗学系の知識が取り入れられており、個人的にはわりと百鬼夜行シリーズなどとの共通点も少なくないのではないかと感じている。
でも大きく異なる(また重要な)要素は、この『Missing』の主要登場人物たちが「高校生」で「子供たち」である部分にこそ詰まっているような気がする。

「大人」の視点で読むと愛おしくも苦しい。
だから、かつて聖創学院大付属高校、文芸部のメンバーが自分の先輩だった頃の意識を取り戻して、読み進めます。

上の甲田学人『Missing』全13巻、各話の文章量的なボリュームは決して膨大ではないので気軽に読めるのですが、シリーズものにいきなり手を出すのが億劫だと感じる方には『夜魔』がおすすめかもしれません。
一応「番外編」という位置づけの短編集で、それぞれ単体で面白いので合うか合わないかを判断するのに適していると思います。

いずれもkindle unlimitedの読み放題に入っており📚

【夜魔 -怪- (メディアワークス文庫) Kindle版】
amzn.to/3ZlL4Q7

【夜魔 -奇- (電撃文庫) Kindle版】
amzn.to/3PjyRXp

血や肉、痛みなどの描写もあるため苦手な方にはちょっとどうかな……

と頭を捻りつつ、その描かれ方や文章自体、どちらかというと幻想寄りではあります。
都市・市街地での生活にふと侵入する異物、あるはずのない異質なモノが人に「認識」された瞬間、目の前にあらわれる、そこに確かに「在る」様子、それらを克明に言葉で語るのが得意な作家……という印象。私は好きで。

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