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朝チュン冒頭(ふるあず) 

 短い眠りから覚めて瞳を開けた瞬間、真っ先に飛び込んできたのは小麦色の肌でした。
 身動きがとれないのは、正面から抱き締められているから。二本の腕にがっちりホールドされている状態。
 引き締まった胸板にめりこんだおでこを引き剥がし、んしょ、と、どうにか顔だけ上に上げると、シャープな顎と高い鼻が見えた。ひととき呼吸をとめて耳を澄ませば静かな寝息も聞こえてくる。
(降谷さん、ちょっと口、空いてる。こんなお顔って初めて見るかも?) 
 起きているときは、あまり見られない子どものような寝顔を見て、「ふふっ」と含み笑いする。
 彼のこんな顔を見ることができるのは、たった今、世界中で自分だけ。彼を独り占めしているという幸福感でつい、へにゃあと頬が緩んだ。
 眠る彼を起こさないようにそうっと左手を持ち上げれば、朝日に反射する薬指のプラチナリングと目が合った。

To be continued……

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