CZ さいおんじとらのすけくん
①さいおんじとらのすけくん2020
その不安定さと、明日もわからないような世の情勢が恐ろしいほど合っている
彼の持つ冷酷さは、ある程度厳しさの必要な組織の幹部としては向いていて、普段の人当たりのよさは、行くあてのない若人の拠り所になるだろうと感じる
世情と自分のやりたいことに合わせて生き延びた結果というか、生物の順応みたいなひと
②さいおんじとらのすけくん2010
人との交流が少ない割に物には恵まれており(雑誌、服、ゲームなど)お金だけは与えられていたのかもしれないと想像する
いろんなものを諦め、期待しないことを身につけつつある
①が人の好意に男女の恋愛しかないと思っている(「お父様が好き」の反応から)のは、②の時点で家族愛の存在を知らず、他人から疎まれがちだったからなのだろう
③さいおんじとらのすけくん②→2020
気に入った人間が絶対に離れていかないという自信が、彼をより自由にさせるのかもしれない
突然周りが見えなくなる類いの不安定さは残しながらも、①ほどの切実さがないのは、心身共に割と満たされているためだと思われる、比較的平穏な日常の影響もあるかも
しかしながら③の平和は①がもたらしたものであり、③エンドは①エンドであるとも言える……