マイ相だった相澤の心相 ① 

二十歳になったお祝いして下さい、と。相澤をダメ元で誘った心操が、その席で相澤が山田と別れた事を知る。
どう見てもまだ山田のことを引き摺っているようにしか見えない相澤に、葬り去った筈の恋心が燻り始める。
気付けば安いホテルの一室で相澤を組み敷き、腰を振っている心操。見下ろした顔は自分の知る相澤とはまるで違う。この熱を、とうの昔に知っている顔をしていた。怒りに我を忘れ、次に気付いた時。相澤の姿は無かった。
謝ろうと何度電話を掛けても繋がらない。一ヶ月後、現場で再会した相澤が自分を避け終わって早々に立ち去ろうとするのを捕まえる。
ホテルでの事を謝ろうとするが、酒に酔っていて覚えていない。お前も忘れろ。と、先手を打たれてしまう。ここで怯めばもう二度とこの人を手に入れるチャンスは訪れないだろうと確信した心操は、此間の事は謝りません。俺は貴方のことが好きです。俺は絶対に忘れないので、貴方も忘れないでください。これから本気で口説くんで、覚悟しててください。そう言い残し、頭を下げて立ち去る心操。
残された相澤は、どうしたもんかとその場にしゃがみ込み、頭をガリガリと掻きながら深く溜息を吐き出した。

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