夢で、映画の背景みたいな街に生活すると、体が頭と思う様には動かない。脚本や監督、カメラによって背景が流れていくから、俺もそこにいないといけない。俺にはいろんな映画が染みついているから、低予算で一部屋にだけいたり、ロードムービーみたいに走り回ったり、街中のドブ臭い所を嗅ぎ回ったり、色々していたいんだけど、そんな事をしたらとっちらかってしまうので、俺はレンガ造りの雑居ビルの一階のどデカいイタリアンレストランを経営している美容師に話をつけて、テーブルの上でソフトボールくらいあるライスボールを人魂の天ぷらみたいに食べながら仕事をすると、知らないサークルの同級生からの同窓会の報せが混ざっていた。字は知性を表すとか編集長(知らない人)は言うが、こいつの字はこんなに汚いのに、地球から出もしないで天の川銀河の未来が見えてる。横川。あいつは大嫌いな田舎の道路沿いの家の、水槽がうるさい暗いリビングで、本棚はなく、すぐ目の前の歩道を行き来する人が、曇りガラス越しに水槽の魚を見ようと窓に顔をつけるので、カミソリを貼り付けてあるが、それは向かいの家のシナイという名前のパリピの仕業。俺はまたしても自分の蔵書を新幹線の高架沿いのクリーム色の家に住む友達にあげる。コンクリートの高い危険な動物園の水流廊下を、浮き輪なしで歩く。続く。

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続き。俺は仕事と食事の途中でこんなめにあって、嫌だな。こういう追われてる感じが。と思っていると、炭酸(本物)が出てきて、本当に『モンモンモン』を俺にくれていいのかと聞いてきた。俺は本棚を持たない人生は隔たりとしての宇宙と同じだとか、エラソーなこと言ってた自分が、本棚を埃まみれにしてまで、客の欲望というよりも優越を満たすダセー仕事をにぎやかなレストランでしてる恥知らずになっていて、それでもヤケにならずにいられるのは、お前らみたいな人間に観測されていて、多面的な認識にコラージュされているからじゃないのという話をしたら、炭酸の住むクリーム色の家の前で、いい加減結婚しないかと言われる。してるじゃんと言いかけて、お前の俺は俺じゃないというと、お前の炭酸はもういないから、俺もお前の俺じゃねえけど慰めてやってんじゃねえかと言われて、いつもの俺なら跳ね返せそうな引力が、色んな事が重なって、砂混じりの家の中で、振り子に埃を払わせて、郎党化していく最初は権力に屈しないためのファミリーが、身内とそれ以外とを隔てていき、俺は緩やかな個人の連帯で、人が幸せになるには、宇宙の様な大きな隔たりが必要なんじゃないかとか知ったかぶった話をして、違う炭酸(本物)に、そうさせてくれって言うと、よく読んでこれにサインしろと言われる。続く。

続き。思い出を捨てる様な、これってよくないことだよな〜って思いながら、死人に口なしって思うと中々サインできない。お前のガバい思想がサインひとつで叶えてやろうって言ってる俺の愛が信じられないのかと違う炭酸(本物)に言われる。違わない炭酸と話がしたいなと思ってると、賃貸物件検索の間取り画像の反射とかにたまーに写り込んでる仲介業者が、10万分の1で違わない炭酸になってるバグがあって、そこから炭酸を探して、レンガが砂になるまで探して、ようやく見つけたのが違う炭酸だったので、俺はやべーサインしちゃいそう! でも嫌だ! って叫ぶと、違う炭酸(本物)は、俺が以前違わない炭酸に贈った詩を詠んでサインを促す。お、そうか、じゃあ合言葉を言え。言えないな。あぶねー合言葉を忘れていた。合言葉を言え(本当にある)。言えないな。墓穴を掘ったなサインはしねー失せろ! その後で、ちゃんと現実の自分の家に帰って鍵をかけて炭酸のいるベッドで眠って目が覚めた。多分この2,3倍色んな人と喋ったし、海にもいったんだけど、忘れた。

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