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目がさめると見知らぬところにねている。おおきな鉄骨でまわりを囲われた床の上だ。ねていたはずのじぶんのへやよりひろい。しかしどこにもかべがなく家具も一切ない。ゆかはすべりどめの模様がついた鉄板だ。すべて暗い緋色に塗ってある。つくりかけのようにも、これで完成したようにもみえる。ここはどこだ。
たちあがるとゆかは頑丈でびくともしない。ひだりがわに上の階へ通じる階段がある。そしてうえからねこが1ぴき下りてきた。三毛ねこだ。ゆっくり途中まで下りてこちらを向いたら、近所でたまに話すひとだとわかった。それで安心して話しかけた。「おはようございます。いま起きたらこんなところにいて。ここはどのあたりですか?」
ねこはしばらく固まっていた。それからそろそろとのこった段を下りながら「それはたいへんでしたね」とこたえた。
そのすがたを見ながらわたしは、このひとはいつもは人間のすがたをしているのに、いまはねこのすがたをしてぜんぜんこまったふうじゃないなと感心した。
というゆめをみた。

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