物語の終盤、アーレントは旧知の仲であるクルト・ブレーメンフェルトや、ハンス・ヨナスからも断絶される。彼らはシオニストで、アーレントがナチの虐殺に加担したユダヤ人のことを指摘したことが許せなかったようだ。「同胞のユダヤ人を愛していないのか?」と問われるアーレント「私はひとつの民族を愛したことはないわ、愛するのは友人だけ」と答える。シオニストたちもまた、アーレントが批判した全体主義なのだし、隣人であるアラブ諸国との連携なども説いた彼女がいまのイスラエルを見たらどう思うだろう、ということを想像しながら見ました。